「水仙月の四日」を読みました




図書館の電子書籍というものを初めて
利用してみました。


ちょっと読みにくかったけど、予約したり
借りてこなくてもすぐ読めると言うこともあって
今回は宮沢賢治の「水仙月の四日」を読んでみました。


最近通りかかる庭先でよく見かける水仙の花。


"水仙月"とはなんとも素敵な題名だなと
思いました。








"水仙月"というのは宮沢賢治の創作上の月で、
今頃の季節の事らしく、四日というのは
宮沢賢治の生きた頃のキリスト教における
復活祭の日を表しているそうです。



この童話は雪国の自然を擬人化しているお話
なのですが、所々にオノマトペが文中に散りばめ
られていてとてもユニークです。


赤い毛布を被った人間の男の子。
雪嵐に見舞われ、男の子には見えない雪童子に
"ひゅうひゅう"と風を吹きつけられたり、
雪狼が気味悪く"ベロベロ"と舌を出していたり、
"ぼやぼやな白髪"と表現される雪婆んこがでてくる
などして、雪国ならではのファンタジックな
世界観にドキドキします。


今で言うホワイトアウトの状態になる描写が
恐ろしくもあり、まるで自分もその場所で
呆然と立ち尽くして猛吹雪の風景を見ていた
ような物語でした。



ヨーロッパでは神聖な樹と言われるヤドリギと
赤い毛布に守られた男の子。
それにしてもなぜ男の子は赤い色の毛布だった
のか?



宮沢賢治「水仙月の四日」電子書籍より



赤毛のアンの解説本のように考えてみます、、😅
聖母マリアの羽織物は青色、マリアの母アンナの羽織物は緑色。


題名にある春に近いこの日(4月の4日ごろ?)は
キリスト復活祭の日だったということ。


"キリスト復活"の絵画を検索してみますと
キリストがまとっている羽織物はなんと赤色。


そうなんだ。


これはキリスト教の教理を含んだお話なんだと
想像して納得している私です。



自然は時に人にとって残酷であったりするけれども
お話の中に、一筋の希望と願いが込められていて、
とても良かったなと感じました。